「日本の風土を彩る瓦の魅力」掛川市の児童が瓦を通して70年後の未来へメッセージを残す｜現場ブログ｜名倉ルーフ

「日本の風土を彩る瓦の魅力」掛川市の児童が瓦を通して70年後の未来へメッセージを残す

2024.03.26 (Tue) 更新

みなさん、こんにちは(^^)/

3月22日（金）の中日新聞にこんな記事が紹介されていました。

見出し：『掛川市中央小学校の6年生81人が、近くにある市指定文化財の松ヶ岡（旧山﨑家住宅）の修復工事に用いられる瓦にメッセージを記入した』

松ヶ岡は江戸時代末期に建てられた掛川藩の御用商人山﨑家の住宅で、こだわり抜かれた建築材と丁寧な施工が施された価値ある文化財です。一度、所有者がこの住宅を処分することを決めましたが、掛川市民から取り壊しを惜しむ声があがり、市が購入しました。2020年から大規模な修復工事をはじめ、主屋は昨年6月に完了し、現在は長屋門の修復工事中となっています。

今回、この長屋門の屋根の葺き替えを行う際に使用される瓦に、子ども達が「命」「絆」等のメッセージを記入したということです。子ども達がこの瓦を次に見られるのは約70年後。次の葺き替えの時になります。

瓦にメッセージを記した児童達はその時82歳。70年後に見られることを願い、想いを託したのでしょうね。屋根のタイムカプセルといったところでしょうか。時をかけたロマンあふれる素敵な企画だなと思いました。

何といってもこの企画は、瓦屋根の耐久性の高さがあってこそだと思います。瓦は焼き物のためそれ自体の経年劣化はほとんどなく、丈夫で優れた屋根材です。70年後に想いを託せるのは瓦だからできることです。

瓦は日本の風土に根付いた伝統的な建築素材です。その美しさと機能性は日本の風景に欠かせません。瓦は太古から日本の屋根を覆い、その姿勢は時代を超えて変わることなく受け継がれてきました。雨や雪、風といった自然の力から家を守りながら、独特の風情を演出します。瓦の種類や色合いによって地域ごとの特色が生まれ、風土や文化を反映しています。古き良き日本の風情を感じさせる瓦の屋根は、日本の風土を象徴する存在と言えるでしょう。

松ヶ岡は毎月第４土曜日に一般公開（入場無料）もされています。掛川市と瓦の歴史の重みを感じに、私も行ってみたいと思います。最近は瓦屋根のお宅が減少傾向にありますが、やっぱり瓦っていいなと思います！