千葉の水害から住宅を考える②
2026.08.20 (Thu) 更新
みなさん、こんにちは(^^)/
静岡県浜松市・磐田市 屋根リフォーム・雨漏り・防災専門店の名倉ルーフです!
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
屋根工事をしていると、住宅の「雨に対する強さ」について考える機会がたくさんあります。
千葉県では、今回の線状降水帯による大雨水害以外にも
台風や大雨による住宅被害がたびたび発生しています。
特に令和元年の房総半島台風では、
千葉県内で全壊448棟、半壊4,694棟、一部損壊77,091棟、床上・床下浸水50棟
という大きな住宅被害が発生しました。屋根被害も各地で確認されています。
今回の水害は、排水容量をはるかに上回る降水量があったことによる
道路のオーバーフロー冠水が大きな被害を生みましたが
「水害」と聞くと、川が氾濫して家の中まで水が入ってくるイメージを持つ方も多いと思います。
しかし、屋根屋の立場から見ると、住宅にとって怖いのは床下・床上まで来る水だけではありません。
屋根から入る雨、外壁から侵入する雨、雨樋からあふれる雨など、
家にはさまざまな「水の入口」があります。
住宅で怖いのは「大雨だけ」ではない
風水害を考えるとき、「雨」と「風」を分けて考える必要があります。
大雨が降れば、
- 屋根からの雨漏り
- 雨樋からのオーバーフロー
- ベランダやバルコニーの排水不良
- 外壁からの雨水侵入
- 床下・床上浸水
などのリスクがあります。
一方、強風が吹けば、
- 瓦のズレや飛散
- スレート屋根の破損
- 板金のめくれ
- 棟板金の浮き
- 飛来物による屋根材の破損
などが起こります。
実際、令和元年房総半島台風では、千葉県内の住宅に非常に多くの風害が発生しました。
この経験を踏まえ、屋根ふき材については強風対策が進められ、
瓦屋根についても「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に沿った施工方法が重要になっています。
つまり住宅では、
「雨に強い家」だけではなく、「雨と風の両方に強い家」を考えることが大切です。
屋根屋から見る「水害に強い家」
では、実際にどこを見ればいいのでしょうか。
1.まずは屋根そのもの
屋根は、住宅の中でもっとも雨風を受け続ける場所です。
普段は何ともなく見えていても、
- 瓦がズレている
- 屋根材が割れている
- 板金が浮いている
- 棟部分が傷んでいる
- 古い補修箇所が劣化している
といった状態になっていると、大雨や強風をきっかけに雨漏りへつながる可能性があります。
特に怖いのは何度も繰り返しますが、「雨漏りしていないから大丈夫」と思ってしまうこと。
屋根の内部に少しずつ水が入り、気付いたときには下地や木材まで傷んでいるケースもあります。
屋根は、雨漏りしてから直すのではなく、雨漏りする前に状態を確認しておくことが重要です。
雨樋も実はかなり重要
屋根屋として現場を見ると、
「屋根は問題なさそうなのに、雨樋がかなり傷んでいる」という住宅もあります。
雨樋には、屋根に降った大量の雨水を受けて、適切な場所へ流す役割があります。
ところが、
- 落ち葉が詰まっている
- 雨樋が歪んでいる
- 金具が外れている
- 樋が割れている
- 排水先が詰まっている
といった状態になると、雨水がうまく流れません。
その結果、雨水が外壁側へあふれたり、軒先から大量に落ちたりすることがあります。
「屋根の点検」と聞くと屋根材だけを想像しがちですが、
雨樋まで含めて屋根の排水システムとして考えることが大切です。
屋根だけではなく「家の周り」も見る
水害対策という意味では、屋根だけを見ていても十分ではありません。
家の周囲に水が集まりやすい場所がないか。
排水溝は詰まっていないか。
雨水が家の基礎側へ流れていないか。
庭や駐車場の水がどこへ流れているか。
こうしたことも一度確認しておきたいポイントです。
各市町村も最近では、洪水ハザードマップだけでなく、
洪水・津波・高潮・土砂災害など、それぞれの災害リスクを確認するよう案内しています。
自分の家はどのような場所に建っているのか
確認したことはありますか?
「うちは川から遠いから大丈夫」は要注意
水害について相談を受けると、
「うちは川から離れているから大丈夫ですよね?」
と言われることがあります。
でも、水害リスクは川の近くに住んでいるかどうかだけでは判断できません。
県管理河川について想定最大規模の降雨による洪水浸水想定区域が公表されていますし
国でも「キキクル」などのアプリを使って、常時確認できる体制を整えてきています。
自宅周辺の浸水リスクは、住所だけで判断せず、実際のハザードマップで確認することが大切です。
また、地域によっては洪水だけでなく、高潮や土砂災害など別のリスクもあります。
「自分の家はどんな災害に弱いのか」を知ることが、住宅を守る第一歩です。
水害対策は「災害が起きてから」では遅い
屋根工事の仕事をしていると、災害後にたくさんの住宅を見ることがあります。
そのときに感じるのは、
「もう少し早く見ておけばよかった」
というケースが少なくないことです。
屋根材の小さなズレ。
少し浮いた板金。
詰まりかけた雨樋。
以前の台風でできた小さな破損。
一つひとつは小さな問題に見えるかもしれません。
しかし、大雨や強風は、その小さな弱点を一気に広げることがあります。
だからこそ、災害対策は「災害が来たときにどうするか」だけではありません。
災害が来る前に、住宅の弱点を見つけておくこと。
これも非常に大切な防災だと思います。
家を守るなら、まず屋根から
住宅は、屋根だけで守れるものではありません。
外壁、窓、雨樋、基礎、排水設備など、家全体で雨や水に対処しています。
その中でも屋根は、常に雨風を直接受けている場所です。
だからこそ屋根屋としては、
「雨漏りしていないから大丈夫」ではなく、
「今の屋根は、次の大雨や台風に耐えられる状態なのか?」
という視点を持っていただきたいと思っています。
今回大きな被害の出た千葉県では過去に大きな風水害が発生し、住宅の屋根にも深刻な被害が出ました。
だからこそ、これまでの災害を「過去の話」にせず、
これからの住宅づくりやメンテナンスに生かしていくことが大切です。
最後に
大雨や台風を止めることはできません。
でも、
「屋根に傷みはないか」
「雨樋はきちんと流れるか」
「屋根材や板金に浮きはないか」
「自宅は浸水想定区域に入っていないか」
を事前に確認することはできます。
自宅周辺のハザードマップを確認し、
災害リスクや避難先をあらかじめ把握しておくことを勧めています。
家を守るということは、家族の暮らしを守るということ。
屋根屋として、これからも「雨漏りを直す」だけではなく、
雨や風から住宅を守るための仕事を大切にしていきたいと思います。
「最近、屋根を見ていないな」という方は、大きな台風や大雨が来る前に、
一度ご自宅の屋根と雨樋を確認してみてはいかがでしょうか。
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